トップページ > 連載一覧 京都を美しく撮ろう > 第4回 庭を撮る
連載 京都を美しく撮ろう 水野克比古&水野秀比古
ページ:page1page1page2

連載第4回 庭を撮る

京都には年間を通じて多数の観光客が訪れ、ほとんどと言っていい程の高確率で神社仏閣に足を運んでいる。重厚な伽藍や、ご利益のあるご本尊など、各々の目当ては様々だが、本命のひとつに挙がるのは枯山水庭園や池泉庭園などの庭である。ひとことで「庭」と言っても、広大な敷地のものから一坪ほどのものまで、面積も種類も多様だ。庭と対面し、佇み、カメラを手にする。この静寂なひとときを一枚の写真におさめるには、どのように対峙したらいいのか。ファインダーを通して庭と向き合っていく方法を探っていこう。

庭の構成要素、作庭意図を理解しておく|建仁寺
建仁寺
  • 石組みを意識する

    三尊仏を石組(いわぐ)みで意匠した三尊石組は日本庭園の基本的石組であり、中央に背の高い主石を、左右に低い石を配して構成されている。
    作例は建仁寺の潮音庭(ちょうおんてい)。大地の杉苔と木々の葉が、囲まれた空間の中を落ち着いた緑色のトーンで満たしている。四方正面の庭であり、東西南北どちらからでも見ることができるが、まずは築山の釈迦三尊石と正対した構図をおさえておきたい。
    日本庭園には三尊石組の他にも、鶴亀を意匠した石や風景として滝を造ったものなど、多様な石組みが庭の要として配されており、撮影対象としてこれらを認識しておくことが肝心となる。

  • 作庭者の意図を理解する

    作庭に際して、どの位置から何を見るように設計したのか、どのような創造的な発想で各要素を配置しているのか。
    禅寺の庭では、禅の精神性をどのように反映させているのか。
    枯山水の中にも、荒々しい波模様を表した激しい印象のものもあれば、悟りの境地を表現した静寂そのものの庭もある。
    寺院のウェブサイトや掲示物、配布されている資料など、庭の特徴や作庭意図を撮影前に理解しておけば、庭と対話するときの重要な手がかりを得られるだろう。

    撮影のために知っておきたい石組みの基本
天候を選ぶ - 雨に濡れた状態を狙う|三千院
三千院
  • 日差しがきつくて乾燥している気象よりも、雨でしっとりと濡れた状態が望ましい。

    潤った葉や苔の美しさと輝きが増す。
    石組みや砂紋なども水分で艶やかにコーティングされる。
    直射日光が当たらず、全体に均一な光が降り注ぐため、柔らかい光線で落ち着いた雰囲気の写真が写せる。

  • 雨が降った翌朝や、静かな雨が降っている日が狙い目。

    あまりに激しい雨だと撮影や移動が大変。
    風が強いと植物も傷んでしまうし、揺れてしまって撮りづらい。
    一時的な雨でも潤った光景になってくれるが、数日間降り注いだ雨のほうが苔の発色が鮮やかでベスト。

    編集部担当者がコンパクトデジカメで試してみた!!
ページ:page1page1page2