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連載 京都を美しく撮ろう 水野克比古&水野秀比古
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連載第6回 桜を撮るII

全6回の連載も今回が最終回である。前回に引き続いて桜をテーマにしつつ、読者アンケートで質問の多かったひとつである「夜景・ライトアップの撮影方法」について紙面を割いてみた。夜景の撮影は失敗続きだという人も、夜にカメラを持って出かけたことがないという人も、スキルアップの参考として一読していただければ幸いだ。フィルムでは難易度の高かった暗所撮影も、その場で画像を確認できるデジタルカメラの登場で簡単に撮影できるようになった。「春宵(しゅんしょう)一刻値千金」の言葉通り、春の夜は誠に趣深い。ライトアップで艷やかに浮かび上がる今春の夜桜を、カメラを通じて存分に味わっていただきたい。

夜桜を撮る:宵の色合いを表現する|将軍塚大日堂
将軍塚大日堂
  • ブルーアワーで撮る

    ライトアップなので日没後の撮影となるが、空が暗転して真っ暗にならないうちに撮り終えたい。晴天ならば日の入りからしばらくは赤みを帯びた夕焼け空となるが、さらに待つと視界が薄紫~濃青色に染まってくる。空の明るさが照明と同等まで減衰しており、宵の空特有の雰囲気が表現できる時間帯だ。

    ホワイトバランスを変更してみる

    晴天や曇天モードで夜景を撮ると空が灰色っぽくなったり、青く写らないことが多い。その場合はカメラのホワイトバランスを電球色や蛍光灯モードなどに変更してみるといい。近年のカメラには夜景モードなど様々な設定が備わっているので、状況に応じて自分が望む色合いで写せるモードに切り替えてみよう。

  • カメラブレの低減

    展望台からの俯瞰撮影となるため、手すりにカメラを置いて撮影している。
    カメラを置いて固定するのは原始的な方法だが、三脚が使えない状況ではかなり効果的だ。また、手すりや柱にカメラを押し付けて固定するという手もある。タオルやハンカチ、上着などをクッションがわりにすれば安定感が増し、アングルの微調整もできる。

    編集部担当者がコンパクトデジカメで試してみた!!
夜桜を撮る:手ブレさせずに撮る|高台寺
高台寺
  • 感度を上げて手持ち撮影 日中と同様、神社仏閣では三脚が使えないと思っておいた方がいい。ISO感度を800~3200などに上げ、十分な速さのシャッタースピードを確保して手持ちで撮影する。
    • 手ブレしないシャッタースピードで撮る
    • ▼手ブレせずに写すには35mm換算での焦点距離を分母としたシャッタースピードが必要だということを、目安として覚えておくといいだろう。広角28mmで撮る場合は1/30秒よりも速いシャッタースピードで、200mmの望遠だと1/200秒よりも速いシャッタースピードで撮らねば、手ブレが起こる確率が上がるということだ。
    • ▼勿論、カメラを保持する力量には個人差があるため、目安より速いシャッタースピードでもブレてしまう人もいれば、もっと遅いシャッタースピードでもブレずに撮れる人もいる。
    • ▼また、最近では手ブレ補正機能のあるレンズやカメラも広く使われており、前述の限界を超える遅さのシャッタースピードでもブレずに写せる場合も多い。それら最新機能の恩恵を存分に活かすべく、自分のカメラがどの程度のシャッタースピードまで手ブレを補正してくれるのか、撮影本番までにあらかじめテストしておくといいだろう。
    • カメラブレを低減する方法
    • ▼身体を安定させる
      • ▽立っている場合は柱や壁などに寄りかかって体の軸が動かないように安定させる。ただし、撮影地によってはそれらが歴史的に重要なものである可能性も高いので、本当に身体を委ねても問題がない箇所なのかを慎重に確認しておくこと。
      • ▽座っている場合は膝を立て、その上にカメラを固定する。あるいは、膝の上に肘をついてカメラを持つ手を固定していく。
    • ▼ストラップをぴんと張ってみる
      • ▽首にかけたストラップがぴんと張るよう、カメラを持つ手を前に出す。張力でカメラが動きにくくなり、手ブレを抑制できる。
  • 人の流れが途切れる一瞬を狙う 高欄から庭を狙う場合では前に人が入らず撮影は容易だが、作例のように手前から額縁構図で狙う場合などは前を人が横切ったりして無人の絵柄が撮れる確率が激減する。時間をかけてチャンスを待つことになるが、その間にも定期的に周囲を見渡し、自分も他の人の撮影の邪魔になっていないか確認すること。「あの人、早く移動してくれないかなぁ...。いつまでも何をしているんだ。」と思われないよう、客観的に自分を見つめ直す時間を持とう。
    • ▼わずかなシャッターチャンスを活かすには、三脚での長秒撮影よりも、高感度で手持ち撮影できるシャッタースピードで写すほうが有利となる。

    観光客で賑わい、人の流れがなかなか途切れなくても、声を荒げたり不遜な態度で人払いを強行したりしてはいけない。撮影者にできることは、襟を正し、深呼吸をして、構図に人が入ってこないよう念じるのみだ。

    編集部担当者がコンパクトデジカメで試してみた!!
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