~プロが分かりやすく教える~かんたん撮影術

第2回:講評編
「マクロ機能など使って、グッと寄って撮ってみよう☆」

HARUKI(はるき)氏

第2回目のテーマでは、マクロ機能を使った撮影ということでクローズアップ写真にチャレンジしていただきました。 7月のテーマランキングのテーマが「季節の花」ということもあり、植物の写真が多くなりましたが、その中にも昆虫を一緒に画面にからめたり、様々な工夫が見てとれました。応募作品は主題がその月のテーマにさえ沿っていれば良いので、ボクの作例写真は気にせず、皆さんの自由な発想で表現範囲を広げてみてくださいね!

「マクロ機能など使って、グッと寄って撮ってみよう☆」

第2回目の今月は、マクロレンズやカメラのマクロ機能を活用して身近なモノを捉えてみましょう。

今回は投稿写真の中から、5点の作品を選ばせていただきました。

『小さな虫を大きく』
投稿者:[ Sonic_a ]さん

◎こちらの写真は主役が蜂さんの作品です。マクロレンズで小さな蜂さんを大きくクローズアップされて表情まで覗えます。迫力がありますねえ。紫色の花は形からすると朝顔の仲間でしょうか? この蜂さんはまるでこの花が自分の隠れ家であるかのように居座って、花弁の中から外の世界を覗いているように見える仕草がユニークですね。フォーカスも蜂さんの頭部にしっかり合っているだけじゃなく、紫の花びらの上に散らかしてしまった花粉にもきているのが効果的ですね☆

『シャガ』
投稿者:[ 神田耕治 ]さん

◎シャガというのは菖蒲科の仲間の植物なのですね。植物園で花自体は見たことはありましたがタイトルの「シャガ」っていったい何だろう?と思って調べてみて初めて知りました。自分の無知を晒すようでお恥ずかしいですが勉強になりました、ありがとうございます(笑)。斜め上から強く射し込む光線の影響で白い部分が大きく占めている花びらは少し暗く写り、背景も暗部が強調される感じになるという計算の甲斐あって、花の持つ怪しい美しさがいっそう際立つ仕上がりになりました。それと同時に、後方にもう一つがボケて見えているのも合わせ鏡のようで完璧な配置です♪

『古代蓮1』
投稿者: [ mikasa ]さん

◎とっても美しい写真です☆ 東京都内でもこんな美しい蓮が咲いているのですね。ピンクのグラデーションが絵に描いたような定番の姿でビックリしています(笑)。トンボと一緒でのこの大きさというのはかなりのモノですが、これもクローズアップ撮影ならではの効果のひとつですね! 撮影場所もそうですが、トンボの種類も気になります。

『海の“貴婦人”』
投稿者: [ T.451 ]さん

◎こちらは「ウミウシ」が岩に張り付いているところを、ダイビングに行かれた慶良間の海で撮影されたということです。作者のT.451さんも書かれていますが、ダイビング中のマクロ撮影は撮影者も波に揺られながらの悪条件ですので、ご自身でも書かれていますがたった3㎝しかないウミウシをコンパクトデジカメのマクロ機能を使っての水中写真で、ブレないでココまでよく撮られたと思います。画面右側は深さで光が届いていない場所から暗くなっているのだと思いますから、もう少し右側から回り込んでウミウシに近づいて撮影が出来たら大きく写せて、明るさも均等になり色彩豊かになったでしょう!

『はずかしぃ~』
投稿者: [ ゆ~ppyon ]さん

◎京都、宇治市にある三室戸寺の蓮池で撮影されたそうです。ゆ~ppyonさんは今回もいろいろな色の蓮の仲間の写真を送ってくださいました。もちろん他の写真も「花の写真」としてはとっても素敵だったのですが、今回のテーマ「マクロ撮影」ということで、もっともクローズアップに植物を捉えられているコチラの写真を選ばせていただきました。黄色とピンクのコンビネーションの花びらのカメラ側の先端にうまくフォーカスされています。これで充分素敵なのですが、右側の側面にピントを合わせてみたら手前の花びらがグッとボケて迫ってくる感じが出て、それも別の表現で面白いと思いますので試してみてください☆

HARUKI'S PHOTO

ベンケイソウ科の「黒法師(クロホウシ)」という名前の植物で庭園などでよく見かける珍しいものではありません。花輪に真正面から対峙してシンメトリーに切り取ってみました。このカットは専用のマクロレンズではありませんがカメラを最大限まで近づけての撮影です。中心にある緑色の花弁にピントが合うようにしているため、周辺のギザギザ尖った部分が手前に向かってボケて面白い絵柄になりました☆

■あとがき

今月はマクロ機能などを使ってのクローズアップ撮影のお話しでした。一眼レフカメラなどで専用のマクロレンズがあればもちろんよいのですが、例え現在お手持ちのカメラにマクロ機能がなくても上記(HARUKI’s PHOTO)の写真のように思いっきり近づいて撮影することによって、日常の目線とは違った異空間を表現することも可能です。マクロって呼ぶとなんだか近づきにくい名称みたいですが、決して難しいことじゃないので、先ずはカメラを被写体へ近づけて覗いてみることからはじめてみてくださいネ♪

次回8/1予告 次回のテーマは「夜景写真やスローシャッターにチャレンジしてみよう☆」です。

今回はマクロ撮影など、クローズアップ写真を楽しんでいただきました。次回8月は夏の夜は外出されることも多いと思いますので、お祭りや花火大会、夜景写真、そしてスローシャッターなどにもチャレンジしてみてください。ぜひたくさんのご応募をお待ちしております!!

講師プロフィール

HARUKI(はるき)氏
HARUKI(はるき)氏

写真家、ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽などの媒体でポートレートを中心に活動。1987年朝日広告賞グループ入選、写真表現技術賞(個人)受賞。1991年PARCO期待される若手写真家展選出。2005年個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」、個展「普通の人びと」キヤノンギャラリー他、個展グループ展多数。プリント作品はニューヨーク近代美術館、神戸ファッション美術館に永久収蔵。テレビ朝日「世界の街道をゆく」スチール写真担当。