~プロが分かりやすく教える~かんたん撮影術

第3回:講評編
「夜景写真やスローシャッターにチャレンジしてみよう」

HARUKI(はるき)氏

皆さん、こんにちは。このコーナーを担当している写真家のHARUKIです。
全国的に猛暑になった今年の夏ですが、お元気ですか? 第3回目になります今月は「夜景写真やスローシャッターにチャレンジしてみよう」というテーマで。夜景写真はもとより、お祭りや風景など夏の行事も含めて広く募集させていただきました。花火の撮影などはやや難しい撮影テーマかと思いましたが、意外にも(失礼・笑)皆さんしっかり撮られていて、他にもステキな写真をたくさんご応募いただきました。ありがとうございます!

「夜景写真やスローシャッターにチャレンジしてみよう」

第3回目の今月は、夏祭りや花火など夜のイベントが多い季節です。様々な夜景写真や、スローシャッターもしくは長時間露光ならではの写真表現にチャレンジしてみてください♪

今回は投稿写真の中から、5点の作品を選ばせていただきました。

『鴨川の床 流れに踊るライト』
投稿者:[ Daiji ]さん

◎京都、鴨川を彩る七夕の川面に映ったライトが流れに合わせて揺れる姿がダンスしているように見えたのですね。宵の時間帯の深いブルー、岸辺に立ち並ぶ店屋が灯す電球色のオレンジ、そこへ柳のようなLEDのホワイトブルーが混ざり、美しい色彩のハーモニーを奏でています。数値が書かれておりませんでしたが、感度や露出もまさに適切な選択でした。天の川を鴨川に見事に再現されました。夜景テクニック、バッチシですよ☆

『花火』
投稿者:[ igm ]さん

◎今回が初めての花火撮影とのことですが、お見事ですねえー!igmさんから3点送っていただきましてどれも秀作ですが、この写真を選ばせていただきました理由は炸裂する花火が画面から飛び出しそうな大胆な構図です。第1回目でお話ししましたように同じ被写体でも「構図」によって見え方が変わります。縦位置で撮影されたままでご応募されていますが、黒い空の部分(画面上部)を少しカットされたら画面が引き締まって、より一層迫力が増したと思いますよ♪

『桑名石採祭りの神社前の叩きだし』
投稿者: [ TOM ]さん

◎お祭りを見物している後方のお客さんたちの表情まで巧く捉えられています。高感度+フラッシュ撮影をされたのでしょうか?山車が入っている雰囲気をメインに表現するのが目的であれば、ややシャッター速度を遅くして走るスピードに合わせて撮るという方法もありますが、これはお祭り全体の状況をわかりやすく撮られていると思います。三重県桑名市の石採祭という日本一やかましいお祭りらしいのですが、どんなものか一度訪れてみたいものです(笑)

『諏訪神社のまつり』
投稿者: [ Sonic ]さん

◎コチラはさきほどの石採祭りと対称的に、臨場感を重視した表現の写真例です。スローシャッターを使用することによってメイン被写体である山車の動きをブラして幻想的に捉えて、それを横で祭りの関係者と思われる数人の人物が真剣な表情でジッと見つめているというダイナミックな見せ方の作品に仕上がっています。かなりの技術をお持ちですね☆

『納涼3』
投稿者: [ 森の妖精 ]さん

◎滝から流れ落ちる水流が遅すぎない程度の低速シャッターによって見事に砕け散った白い飛沫になっています。さらに遅い場合は流れすぎて、ただ白いだけになってしまうこともあります。水流の向こう側にある森の景色が微かに見える程度で、画面右側の濡れた植物の緑色とセットで見ると夏の清涼感をヒシヒシと感じられる写真です。フォーカス(ピント)を手前の緑に合わせられたのも芸術点が高いです(笑)

HARUKI'S PHOTO

こちらの写真は、最近埼玉県で行われた花火大会を撮影したものです。
夜空に豪快に打ち上がる大きな花火の輪と、沿道で楽しそうに見物する人びとや移動している人たちは動きを出すためにブラしながら一緒に捉えるため、ISO感度を1600に上げつつ、シャッター速度は1/4秒というスローシャッターで三脚に据えて撮影してみました☆

■あとがき

今回は、スローシャッターを駆使しての夜景や動きがあるものを捉えるという練習でした。今回ボクが作例にも取り上げた花火大会のように“行くぞ!”と予め構えて行く場合などには試しやすいのでしょうけど、日常の中での咄嗟のシーンではなかなか思いつかないかも知れません。だけどそんな時にこそテクニックを発揮できるようになれば、まわりの人たちとは少し違った表現で写真を捉える事の出来るチャンスになります。この「かんたん撮影術」では、そんな一口アイディアでのチョットしたかんたんなテクニックをご紹介していきますので次回もよろしくお願いいたしますネ♪

次回9/5予告 次回のテーマは「鉄道・乗り物、ステキな旅の想い出写真を残そう♪」です。

走る鉄道、鉄道を利用しての旅。電車やバスにフェリー、旅の手段はいろいろありますが、乗り物の勇姿や旅にまつわる想い出などを写真に収めてみましょう。今回チャレンジしていただいた「スローシャッター」も役立つチャンスがありますよ。詳細はまた次回をお楽しみに☆

講師プロフィール

HARUKI(はるき)氏
HARUKI(はるき)氏

写真家、ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽などの媒体でポートレートを中心に活動。1987年朝日広告賞グループ入選、写真表現技術賞(個人)受賞。1991年PARCO期待される若手写真家展選出。2005年個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」、個展「普通の人びと」キヤノンギャラリー他、個展グループ展多数。プリント作品はニューヨーク近代美術館、神戸ファッション美術館に永久収蔵。テレビ朝日「世界の街道をゆく」スチール写真担当。