~プロが分かりやすく教える~かんたん撮影術

第5回:解説編
「スパイス効いた美味しいフードフォトを撮ってみよう」

HARUKI(はるき)氏

皆さん、こんにちは。このコーナーを担当している写真家のHARUKIです。
暑かった夏が終わり、ようやく涼しくなってきた日本列島はもう秋の入口です。昔から秋と云えばスポーツの秋、芸術の秋、そしてやはり食欲の秋ですね(笑)。そこで今回はグルメな皆さんが大好きな食べ物や飲み物などが、より一層美味しく見えるようなフードフォトを撮ってみましょう♪

「スパイス効いた美味しいフードフォトを撮ってみよう」

第5回目の今月は、皆さんが日々の記録やブログ用にフードフォトを撮る時、ちょっとしたスパイス(工夫)を加えて美味しさが増すような写真にチャレンジしてくださいネ。

■撮影時、頭に入れておくと良い3つの基本スパイス

フードフォト(料理写真など)とひとくちに云っても、スイーツやデザート、お総菜に飲み物、定食メニューから和洋中の高級な一品やコース料理までと幅広いのですが、ごく日常的なシンプルなモノで解説させていただきますね。何故ならボク自身がB級グルメ程度しか食べる機会がないものですから(笑)。

ココでは簡単な3つの基本スパイスだけを頭に入れて使ってみてください。

ヒカリ:順光(カメラを向けてる方へ光線が当たってること)や逆光(カメラに向かって光線が射していること)、半逆光(その中間やカメラ側への斜光線)といろいろありますが、ボクの場合は環境が許せば半逆光あたりを選ぶことが多いです。なぜなら逆光気味にすることで反射光の中に料理や器などの質感が写ることにより、シズル感が表現しやすくなります。また逆光の場合には手前の部分が暗く落ち込むのを防ぎ明るくするためにプロはレフ板(白や銀の反射用の板状のモノ)などを使いますが、皆さんはレフ板の代わりに手鏡やお店にあるメニューや雑誌などの白っぽいモノを使って撮影することも出来ます。

シボリ:カメラレンズには明るさやピント合焦範囲を調整する「絞り」というモノがありますが、数値ではf値とも呼びます。この数値が小さいほどピントの合う範囲が浅くなります。コンパクトカメラなどでは絞り優先モードなどで選択出来ますので、なるべく小さいf値を選んで背景をシンプルにして、主役を引き立てましょう。

ジカン:料理や飲み物などは暖かいモノ冷たいモノなど適正な温度がある場合、時間が経つと鮮度が失われていくものです。暖かさや冷たさもフードフォトのシズルを出すには大切な要素。つまりフレッシュなうちに手際よく撮影してしまうよう予め準備をちゃんとしておきましょう。

まずは上記の3つのスパイスをコントロール出来れば、たいていのシチュエーションに対応出来るはずですのでがんばってみてください♪

※1:連載第2回に登場したマクロ撮影の要素も含まれますので、復習を兼ねて撮影してみてください。
※2:今回の場合は絞りf値は2.8でした。

■あとがき

解説させていただいた3つの要素は他の写真ジャンルでも当てはまる事ですが、殊に料理や飲み物などはある意味生き物ですし、新鮮さがなくなると口にしても美味しさが半減するのと同じですのでヒカリとシボリを前もって準備しておき、料理が出てきたら迅速にシャッターを切れるようジカンも計算しておいてください。ちょっとしたスパイスで料理の味がグッと変わるように、料理の写真だって変わります。是非とも皆さんの腕によりをかけた一品を撮ってみてください☆


次回10/24予告 『スパイス効いた美味しいフードフォトを撮ってみよう』~講評編~

読者の皆さんは普段から美味しいモノを食べたり飲んだり、あるいはご自分で作られたりするグルメな方も多いかと思います。過去に登場した“マクロ撮影“の要素もありますので、復習も兼ねてスパイスが効いた美味しい力作のご応募をお待ちしておりま~す♪

講師プロフィール

HARUKI(はるき)氏
HARUKI(はるき)氏

写真家、ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽などの媒体でポートレートを中心に活動。1987年朝日広告賞グループ入選、写真表現技術賞(個人)受賞。1991年PARCO期待される若手写真家展選出。2005年個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」、個展「普通の人びと」キヤノンギャラリー他、個展グループ展多数。プリント作品はニューヨーク近代美術館、神戸ファッション美術館に永久収蔵。テレビ朝日「世界の街道をゆく」スチール写真担当。