~プロが分かりやすく教える~かんたん撮影術

第5回:講評編
「スパイス効いた美味しいフードフォトを撮ってみよう」

HARUKI(はるき)氏

皆さん、こんにちは。このコーナーを担当している写真家のHARUKIです。
第5回目になります今月は「スパイス効いた美味しいフード写真を撮ってみよう」というテーマで募集させていただきました。
和洋中などのコース料理から、単品のプレートやパン、そしてデザート、飲み物までを含む広い意味でのフードフォトのかんたん撮影の提案でした☆
皆さんそれぞれの思いが詰まったフードフォトにチャレンジしていただきましたので、以下にご紹介いたします。

また、連載記念フォトコンテストの応募がスタートしましたので、これまでの連載で解説したテクニックを使って撮影して頂けると嬉しいです。 どんなステキな作品に出会えるか、ボクも楽しみにしています!

「スパイス効いた美味しいフード写真を撮ってみよう」

第5回目の今月は、皆さんが日々の記録やブログ用にフードフォトを撮る時、ちょっとしたスパイス(工夫)を加えて美味しさが増すような写真にチャレンジしてくださいネ。

今回は投稿写真の中から2点の作品と、テーマランキング応募作品の中から気になった2作品を選ばせていただきました。

『秋の旬盛合せ』
投稿者:[ takaryou ]さん

◎正式には朱色というのでしょうか。目にも鮮やかな赤い漆器が同じ色味のお盆にのって出された盛り合わせ料理は、まさに秋の旬のお裾分けですね!!赤系をベースに黄色や緑の自然食豊かな食材がうまく配置されていて、一品一品の味が想像されるのでつまんでみたくなる写真です。とっても惜しいのは後ピン(ピントの芯がやや後方)だった事と、お皿の端に山椒の緑の葉が付いたままだったことですね(笑)

『食べられるのかしら 花なす』
投稿者:[ かっぱちゃん ]さん

◎よく見かけるのはトマトみたいな丸い形をしたものですが、この実はかなりユニークな形をしていますね。この種類はどうかわかりませんが、花茄子は一般的には主に観賞用に栽培されていて、食べられないものが多いそうです。散歩されていてこの実を発見されたと思うのですが、まわりの環境もわかりますし目を引かれた被写体に素直な気持ちでシャッターを切られことが作者の中のフードフォトであっても良いかと思います。

『もうすぐ刈り入れ』
投稿者: [ Daiji K ]さん

◎この写真を見て「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を思い出しましたが、そのままのタイトルの作品も送っていただきました(笑)。そちらも日本的な風景として素敵なのですが、こちらを選んだ理由はやはり主役である「食」が想像できるように表現されているからです。たわわに実った稲穂を逆光線のクローズアップで捉えられているのも美しいです。きっと美味しいお米になるのでしょうねえ~☆

『秋を食べちゃう』
投稿者: [ 笑みりん ]さん

◎コチラは一足早い紅葉や銀杏の落ち葉かと思いきや、老舗和菓子店の紅葉たちだったのですね。店名が明記されたパッケージも一緒に撮られたのは良いアイディアかと思います。ただしこの条件では明るい表に出ている白っぽいパッケージはより白っぽくなり、箱の中身は暗くなってしまうのでレフ板や白っぽい代用品などの反射物を用いるのをおすすめします☆

HARUKI'S PHOTO

取材でオーストラリアのリンゴ農家を訪れた時に、農園主の奥さんが調理したリンゴが焼き上がったところを撮らせていただきました。同じモノがいくつも並んでいる被写体の場合、どれか1つをクローズアップし周りに幾つかを配置することで特徴を見せながらもたくさんあることを認識できます。逆光の中でシロップが溶ける部分にピントを合わせて、手前からレフ板で光を優しく起こすことで柔らかさを表現してみました。撮影後に食べさせていただきましたが、もちろんとっても美味しかったです♪

■あとがき

フードフォトと云いますと固く感じられるかも知れませんが、冒頭に書きましたようにいろいろな種類の食べ物・飲み物全般ですので、日常生活とは切っても切れない関係なくらいに写真を撮るチャンスは溢れています。解説編で述べました、ヒカリ、シボリ、ジカンの3点を頭に入れていただければきっとかんたんにスパイスを効かせたフードフォトを作ることが出来ると思います。ただしカメラがなければ始まりませんので、いつでもカメラを持ち歩くことを忘れないでくださいね(笑)

次回11/7予告 次回のテーマは「紅葉・秋の彩り風景写真を撮ってみよう」です。

さあ、秋本番です。美しい紅葉のシーズンがやってきます。代表的な紅葉写真はもちろんですが、様々な場所に秋は訪れます。そこで皆さんの思い思いの秋の彩りや季節感溢れる写真を撮ってみましょう!!

講師プロフィール

HARUKI(はるき)氏
HARUKI(はるき)氏

写真家、ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽などの媒体でポートレートを中心に活動。1987年朝日広告賞グループ入選、写真表現技術賞(個人)受賞。1991年PARCO期待される若手写真家展選出。2005年個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」、個展「普通の人びと」キヤノンギャラリー他、個展グループ展多数。プリント作品はニューヨーク近代美術館、神戸ファッション美術館に永久収蔵。テレビ朝日「世界の街道をゆく」スチール写真担当。