~プロが分かりやすく教える~かんたん撮影術

第6回:講評編
「紅葉・秋の彩り風景写真を撮ってみよう」

HARUKI(はるき)氏

皆さん、こんにちは。このコーナーを担当している写真家のHARUKIです。
ついに最終回!第6回目の今月は「紅葉・秋の彩り風景写真を撮ってみよう」というテーマで講評写真を募集させていただきました。

今年の夏は全国的に異常気象などがありましたが、どうやら各地での紅葉や黄葉は進んでいるようでホッとしました(笑)。読者の皆さんのお住まいの地域や、旅行先などでも様々な紅葉や秋の彩りに出会われたようですね。今回はたくさんの写真作品を投稿していただきまして、セレクトに困るという嬉しい悲鳴でした(笑)。本当にすばらしくて感謝感激の秋です♪

「紅葉・秋の彩り風景写真を撮ってみよう」

第6回目の今月は、日本の四季の中でもっとも顕著に自然の色味が表れる紅葉がテーマ。現在「紅葉フォトコンテスト」も開催中ですので、今回の講評も参考にガンガン撮ってくださいね☆

たくさんの素敵な作品をご紹介したかったのですが、スペースの都合で今回選ばせていただいたのはこちらの5点になります。

『一斉放水』
投稿者:[ クッキー ]さん

◎合掌造りで有名な世界文化遺産に指定されている岐阜県の白川郷。どうしてこんなに水を撒いているのか理由が知りたくて調べましたら、秋から冬にかけて乾燥するので万が一の火災に備えての防火訓練なのですね。それにしても圧巻です!村全体が秋の色々に染まり、今では残り少なくなった合掌造りの家屋の集落に同時に上がる防火用水が画面に動きを出しています。フレーミングもちょうど良いスペースで切り取られています。よーく見ると沿道で見守る人たちが濡れないように傘を差している様子が、秋の紅葉の風景写真だけで終わらなくて人間のドラマさえ感じられて素晴らしいです☆

『写景』
投稿者:[ 風のように ]さん

◎秋の雨上がりの箱根は美しく、お友だちとのご旅行はきっと楽しい旅になったのでしょうねえー。他にも投稿いただいた滝や小橋とのからみのモミジの写真も美しいのですが、こちらの写真を選ばせていただいた一番の理由は、趣のある古庵の床の間に掛かっている書の掛け軸と、ガラス戸に映り込んでいる庭で赤く染まった雨上がりの落ち着いた印象の紅葉とが見事なハーモニーになっているところです。ひとつだけ残念なのは右下にある注意書きの白い紙でした(笑)

『一休み』
投稿者: [ かっぱちゃん ]さん

◎トンボの種類は詳しくないのですが、秋のトンボといえばアキアカネを思い浮かべますが赤くないのでシオカラトンボでしょうか?秋めいた色の植物の葉先に降りたって、ちょいと一休みの微笑ましい光景です。脇に見える長く伸びた白っぽいススキの穂と茜を帯びた青空のコントラストが季節感を醸し出しています。ススキが稲穂に似ているのでボクにとっては食欲もそそります。まさに天高く馬肥ゆる秋~です(笑)

『♪山のお寺の鐘がなる』
投稿者: [ TOM ]さん

◎童謡にある「♪山のお寺の鐘が鳴る~」がタイトルになっていますが、まさにその歌詞通りの表現ですね。茜色に染まった西の空に山があるのでしょうか?もしも空と鳥だけでしたら淋しい絵柄だったのですが、左下にある高い樹木のシルエットが上手く「山」を表現しています。おそらく咄嗟のシャッターで難しかったと思いますが、鳥の羽が広がっていたら完璧でしたのにねぇ~♪

『小さな秋、小さな秋 見つけた』
投稿者: [ ヒューマン2013 ]さん

◎散歩中にご近所の公園で見つけられた「小さい秋」ということですが、見事にふくらんだ真っ赤なハナミズキの実と緑色を残しながら赤や黄、茶色が混じってる葉っぱを逆光で美しく捉えてステキです。マクロ機能や望遠レンズ効果も効いていて、やはり秋色に染まっているであろう背景の植物たちの姿を上手くボカして処理されていますねー!! これまでの撮影テクニックの集大成ともいえる作品です☆

HARUKI'S PHOTO

紅葉写真というとイメージ的に「紅葉」が目立ってしまいがちなのですが、実は「黄葉」でもあるのです。場所や季節によっても違うのですがもしかしたら「紅」の後に「黄」が色づく場合が多いのかも知れませんね。晴れた日の青空とともに見上げた時に、背の高いイチョウの樹木たちが何やら話し込んでいるように見えたのが印象的でした。

この写真は去年の12月に入った頃に都内で撮影したものになります。「紅葉フォトコンテスト」の〆切りにも間に合いますので黄葉も含めてのコンテスト応募をお待ちしております(笑)

■あとがき

今回のテーマ「紅葉・秋の彩り風景写真を撮ってみよう」には予想を上回るたくさんの数の写真作品が寄せられて本当にうれしい限りでした。雄大な大自然の中での紅葉風景から旅先のお寺や庭園、そして日々暮らしてらっしゃる近所の公園でのさりげない小さな秋まで、皆さんの想いのこもった紅葉写真でした。様々な場所やシチュエーションの秋の彩りにこれまで解説させていただいた撮影テクニックやポイントを効果的に活用していただけたと喜んでおります。

これまで半年という短い間でしたが、お付き合いいただきありがとうございました!!最後に連載記念フォトコンテストの応募〆切りが12月15日までとなっておりますので、これまでの連載で解説したテクニックを使って応募していただけると嬉しいです。
集大成となるコンテストで、どんなステキな作品にたくさん出会えるかボクも楽しみにおります!

講師プロフィール

HARUKI(はるき)氏
HARUKI(はるき)氏

写真家、ビジュアルディレクター。1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽などの媒体でポートレートを中心に活動。1987年朝日広告賞グループ入選、写真表現技術賞(個人)受賞。1991年PARCO期待される若手写真家展選出。2005年個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」、個展「普通の人びと」キヤノンギャラリー他、個展グループ展多数。プリント作品はニューヨーク近代美術館、神戸ファッション美術館に永久収蔵。テレビ朝日「世界の街道をゆく」スチール写真担当。